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労災保険とは?労災保険の特徴と損害賠償・示談の関係を説明!

交通事故画像
従業員が通勤途中や、業務中にケガをすると、損害に対し「労災保険(労働者災害補償保険)」から補償を得られます。

診療代や薬代、入院にかかった費用などの他、仕事ができないことで失った収入も補償されます。

そして、通勤災害や業務災害が被災労働者やその事業主以外の第三者の行為によって発生することがあり、それを「第三者行為災害」といいます。

その場合は当然、被災労働者(第一当事者)に対して第三者が損害の賠償義務を負います。

また、第三者には加害者の他、民法715条の使用者責任、民法716条の注文者責任、民法717条の工作物責任、自賠法による補償責任を担う保険会社も含まれます。

民法第715条~717条

民法第715条:ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

民法第716条:注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。

民法第717条:土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

労災保険の特徴-交通事故による労働災害の場合

労災保険には以下の2つの特徴があります。
①過失による相殺がありません。
②自賠責保険との二重請求はできません。

労災保険は過失相殺の対象にはならない

労災保険は加害者として支払う損害賠償ではないため、仮に交通事故による労働災害であった場合でも、過失相殺の対象とはなりません。

つまり、相手の保険会社から『加害者には過失がないため、賠償金は支払えません』と言われたとしても、労災保険から入院費用や休業補償を受けることができます。

また、労災保険には健康保険のような治療費の2割または3割という個人負担分が無い上、自賠責保険のような治療費の上限(120万円)もありません。

ただし、自賠責保険では休業損害が基礎日額の全額を支給されるのに対し、労災保険は8割と少なくなっています。加えて、労災保険は精神的損害に対する慰謝料が認められず、付添看護費や入院雑費なども給付対象になっていません。

労災保険と自賠責保険の比較

労災保険 自賠責保険
補償診療費等 診療費のみ(通院費が支給可の場合あり) 付添看護費、入院雑費等も可
休業補償 8割(休業特別支給金の2割含む) 10割
慰謝料 無し 有り
過失相殺 無し 有り(7割以上の過失)
支払い上限 無し 有り

労災保険の方が有利なのはどんな時?

以下のようなケースは労災保険の方が有利です。
・過失割合で加害者側と揉めている。
・加害車両の所有者が運行供用者責任を認めない(所有者が責任を認めないと、自賠責保険が使えません)。
・加害車両が無保険、または自賠責保険のみに加入している。

②労災保険と自賠責保険との二重請求はできない

労災保険と自賠責保険の両方が使える状況であっても、2つの保険を同時に利用することはできず、どちらか任意で選択した方の保険からしか支払いを受けられません。

労災保険から先に支給された場合は自賠責保険からの賠償金は受けとれず、自賠責保険から先に支払いがあった場合は労災保険の支給が行われません。

損害賠償と労災保険の調整

労災保険は被災労働者の損失を補填するものであるため、被災労働者が加害者からも損害賠償金を受け取ると、損失額の二重取りになってしまいます。

そこで、労災保険と損害賠償との間で調整が行われます。

労災保険からの求償とは?

被災労働者が労災保険から給付を受けた場合、国は加害者である第三者に対して支払った労災保険給付の額を請求します。これを「求償」と言います。

【労働者災害補償保険法第12条の4の1項】
政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価格の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償請求の請求権を取得する。
(引用元:労働者災害補償保険法第12条の4

労災保険の給付から控除とは?

被災労働者が労災保険を給付される前に、加害者から損害賠償金を受け取ると、国はその金額分を労災保険の給付から控除します。

これを支給調整といいます。遺族補償年金や障害補償年金は一定期間支給を停止されます。

【労働者災害補償保険法第12条の4の2項】
前項の場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。
(引用元:労働者災害補償保険法第12条の4

なお、「慰謝料」や「物的損害についての損害賠償」は、労災保険の補償給付とは異なるもののため、それらの受領によって支給額が減ることはありません。

治療費や休業期間中の賃金喪失分が支払われている場合が調整対象になります。休業期間の賃金補填でお金借りるならこれらの知識は最低限必要になります。

加害者と示談すると労災保険の給付は無くなる

被災労働者が加害者に対して損害賠償請求を行った後に正式に示談すると、原則として労災保険からの給付は無くなります。

つまり、第一当事者である被災労働者が加害者に対して保有している損害賠償債権を補填させることを目的として示談金を定めて示談した場合、示談金以外の損害賠償をすべて放棄することになります。

従って、示談金の額を決める時は後遺症の発生などをよく見極めた上で決めることが重要です。

ただ、示談の内容に錯誤があったり、損害の補填が明確でなかったりする場合は、不足分を労災保険から受給することが可能です。

労災保険まとめ

労災保険は被災労働者の損失分を補填するものであるため、その損失が加害者から賠償されると、当然労災保険からの給付は減ったり、無くなったりします。

ちなみに、労災保険の「休業特別支援金」に関しては、相手の自賠責保険から賠償があっても受給可能なため、忘れずに申請することが肝心です。

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